オヒョウ
ニレ科の植物で北海道に自生します。
古代からアイヌの人々が、糸を作り織って祭礼用衣装(厚司)や、日常着、生活用品等にしていました。
アイヌの人々は、自然と共に生きてきた人々で、オヒョウを採取するときは祈りをささげ「自然の恵みをいただく」という考えを持っていました。
いくら必要だからと言ってむやみに木を伐らないで、次の年や将来のことを考えて、乱獲はしないことを徹底していたようです。
つい最近まで日本中がそのような考えでしたが、アイヌの人は特に強かったと思われます。
残念なことに、今の日本はそれの対局の方向にいっていると思えてなりません。
「切伏せ」と言って、仕事着のような形の衣装に、背中、前
袖口、裾などに、本州から北前船で送られてきた木綿や絹で刺繍を施されたものが多く残っています。
それは、自然界の目に見えないものへの畏れ-魔物-から身体を守るといういう意味が込められています。
と同時に
女性は大切な人の無事を祈りながら針を動かす事によって、心の不安を解消したのではないかと思います。
「征服」ではなく、まさに「共存」の思想です。
縄文後期に
すでにこの繊維の出土物が確認されています。
次に紹介する科布と似ていますが、科布より繊維が心持ち柔らかいです。